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【花王】「花王サステナビリティレポート2016」を発行

   

花王株式会社は6月23日に、「花王サステナビリティレポート2016」を発行した。

もちろんウェブサイトで知りたい部分のみを閲覧することができるほか、PDFで通して読むこともできる。
PDFについては、「花王サステナビリティレポート2016」(161枚)と「花王サステナビリティレポート2016 ハイライト」(32枚)とがある。ハイライトは一部抜粋だが、抜けている部分はほぼ「2015年の活動報告」であり、ハイライトでも花王のCSRに対するスタンスは一通り知ることができる。まずは全体を把握したいという場合は「ハイライト」がおすすめ。

体裁はかなり優れている。冊子前提のレイアウトのものをPDFにしただけの場合、画面をしばしばスクロールしなければならなかったり、もっとひどい場合には見開きになっていたりしてストレスがかかる場合が多いが、本レポートではその頻度が少ない。見開きは存在しない。いらぬ箇所にトピックをはさんだり、やたらと脚注が多かったりするのも集中を乱されるが、とくにハイライト版で採用されている部分については、そういう部分が少なく流れを乱されずに通読できる。

ハイライト版では割愛されているページにはどうしても専門用語・業界用語が登場してきて、多くの脚注はあるものの少し難解。加えて花王があえてその言葉を選んでいる場合、その理由は早い段階で触れたほうがいい。その筆頭は重点項目のひとつである「カルチャー」。読んでいくうちに企業文化のカルチャーだとわかったが、「エコロジー」「コミュニティ」に続くので、途中までは芸術・文化への支援活動のことだと誤解していた。他にも「インテグリティ」「いっしょにeco」などは説明が欲しい。「いま、未来のためにできること」というブックレットに載っている定義がわかりやすいので、レポートの頭の方に載っていたら親切。

足りない部分は、最後に第三者意見として掲載されている日本総合研究所の足達氏のコメントが的を射ている。マイクロプラスチックビーズについて発表したのは、このレポートの対象期間よりあとのことだとは思うが。あとは企業イメージほどは、女性の活躍が「これから」という感じがする。国内管理職の方、がんばってコンプライアンス研修に出ましょうよ、ということと。
「政治献金は行わない」、「国際的に認められた人権と各国の法令等に矛盾がある場合は、国際的な人権の原則を尊重する」などと明示している点は、さすが「世界で最も倫理的な企業」のうちの1社に10年連続で選ばれている企業だと感じる。

花王サステナビリティレポート2016 | 花王株式会社

(発表日:2016/06/23)

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